FXでpipsってよく見かけるけど何のこと?
pipsってどう計算するの?
1pipsっていくらのことだろう?
FXでpips(ピップス)とは「pip」の複数形のことで、FXにおいては通貨の共通単位のことを言います。
「何pipsの利益が出た」とか「何pips損した」などと使われたり、スプレッドの表記としても利用されています。
そんなpips(ピップス)とはどういう単位のことを言い、1pipsは日本円ではいくらなのかを簡単に計算する方法などを解説します。
FXのpips(ピップス)とは?
pipは「percentage in point」の頭文字をとったもので、FXで通貨の共通単位として使用されていて、pipsはその複数形のことです。
FXでは日本円や米ドル以外にもユーロやポンドなど様々な通貨の取引を行うことができますが、それぞれの通貨の変動幅をそれぞれの通貨の単位で表すとややこしくなってきます。
そこで、通貨の変動幅を表す共通の単位として「pips」が使用されていて、買値と売値の差を表すスプレッドの単位としても使用されています。
FXにおける1pipsは通貨ペアによって異なり、多くのFX会社では基本的には下記となっています。
- 日本円との通貨ペア(米ドル/円やユーロ/円など):小数点第2位
- 日本円を含まない通貨ペア(ユーロ/米ドルやユーロ/ポンドなど):小数点第4位
日本円との通貨ペアの場合
日本円との通貨ペアでは小数点第2位が1pipsになります。
日本円との通貨ペアでは1pips=0.01円(1銭)を表し、10pips=10銭、100pips=1円となります。
1pips | 1銭(0.01円) |
10pips | 10銭(0.1円) |
100pips | 100銭(1円) |
例えば米ドル/円のレートが100円から100.05円に上昇すれば5pips(5銭)上昇したということになります。
また、pipsはFXの実質的な取引コストであるスプレッドの単位としても利用されていて、例えば米ドル円のスプレッドが1pipsとなっていれば、1ドルにつき日本円で1銭の手数料がかかることを意味します。
日本円を含まない通貨ペアの場合
日本円を含まない通貨ペアでは小数点第4位が1pipsになります。
日本円を含まない通貨ペアでは1pips=0.0001を表し、10pips=0.001、100pips=0.01となります。
1pips | 0.0001 |
10pips | 0.001 |
100pips | 0.01 |
例えばユーロ/ドルのレートが1.02から1.0205に上昇すれば5pips上昇したということになります。
日本円を含まない通貨ペアでは単位は通貨ペアによって異なり、ユーロ/米ドルの1pipsは0.0001ドル、ユーロ/ポンドは0.0001ポンドとなります。
1pips(ピップス)がいくらか計算する方法とは?
日本円との通貨ペアの場合
日本円との通貨ペアでは1pips=0.01円(1銭)を表しているので、1pipがいくらかは下記の計算式で簡単に算出できます。
取引数量 × 1銭(0.01円)
このように1pipsが何円となるかは取引数量によって異なり、取引数量が増えれば1pipsの何円となるかも変わります。
取引数量 | 1pipsがいくらか |
---|---|
1通貨 | 0.01円 |
100通貨 | 1円 |
1,000通貨 | 10円 |
10,000通貨 | 100円 |
100,000通貨 | 1,000円 |
日本円を含まない通貨ペアの場合
日本円を含まない通貨ペアでは1pips=0.0001を表していますが、例えばユーロ/米ドルやユーロ/ポンドのように日本円を含まない場合は右側の通貨(決済通貨)が通貨単位となり、決済通貨を円換算した為替レートを掛け合わせることになります。
取引数量 × 0.0001 × 為替レート
そのため、ユーロ/米ドルであれば1pips=0.0001米ドルなので米ドル/円の為替レートを、ユーロ/ポンドであれば1pips=0.0001ポンドとなるのでポンド/円の為替レートをかけることとなり、1pipsがいくらかになるかは取引数量と為替レートにより異なります。
例1:ユーロ/米ドルを1米ドル=130円の時に2万通貨トレードした場合
ユーロ/米ドルは右側の通貨である米ドル/円の為替レートを掛け合わせるので、1pipsは260円となります。
20,000通貨 × 0.0001 × 130円 = 260円
例1:ユーロ/ポンドを1ポンド=160円の時に2万通貨トレードした場合
ユーロ/ポンドは右側の通貨であるポンドの為替レートを掛け合わせるので、1pipsは320円となります。
20,000通貨 × 0.0001 × 160円 = 320円
FXのpipsに関する注意点とは?
1pipsはFX業者によって異なる場合がある
FXにおける1pipsは日本円を含む場合は小数点第2位、それ以外は小数点第4位というのが多くのFX業者での単位となっていますが、まれに小数点第3位、小数点第5位を1pipsとするFX業者もあります。
pipsにはFXの最小取引単位という意味もあり、以前のFX取引では日本円を含む場合は小数点第2位、それ以外は小数点第4位までしか表示されていなかったので、例えば米ドル/円の最小取引単位は1銭でした。
ところが、スプレッドの低コスト競争などもあり例えば米ドル/円のスプレッドは0.2銭と1銭の最小取引単位よりも小さくなってしまいました。
そのため、例えば上記の米ドル/円のBIDように135.857と小数点第3位まで表示するようになっていますが、1pipsという最小取引単位である小数点第2位と矛盾が生じています。
多くのFX業者では今まで通り1pipsを小数点第2位としていますが、為替レートで小数点第3位まで表示していることから最小取引単位であるpipsは小数点第3位としているFX業者もあるということになります。
pipsは本来共通単位ですが、FX業者によって異なるといった状況になっているので取引する際には注意が必要です。
損切りの目安にpipsは利用しないほうがいい
FXのpipsの注意点として、pipsは取引数量によって金額が異なってしまうので損切りの目安にpipsを利用しないことをおすすめします。
例えば損切り幅を100pipsと設定すると、1,000通貨で取引する場合は1,000円の損失となりますが、10,000通貨で取引すると10,000円の損失となります。
このようにpipsは取引数量によって金額が異なるため、pipsを損切りの目安とすると想定よりも大きな損失額となってしまう可能性があります。
損切りの目安は自己資金に対して何%の損失額まで許容できるかで設定し、一般的に2%前後とすることが多いです。
5回連続で負けたとしても2%なら自己資金の10%の損失で抑えられます。10%にしてしまうと5回連続で負けると自己資金の半分がなくなってしまいます。
例:自己資金10万円でトレードする場合
自己資金10万円とし、2%を損切り目安とすると2,000円が損切り目安の金額となるので、例えば米ドル/円のように日本円との通貨ペアを取引する場合のpipsと取引数量は下記のような関係となります。
取引数量 | 損切り目安(pips) |
---|---|
100通貨 | 2,000pips |
1,000通貨 | 200pips |
5,000通貨 | 40pips |
10,000通貨 | 20pips |
100,000通貨 | 2pips |
スキャルピングのような短期で小さなpipsを狙うトレードスタイルなら10,000通貨以上の取引が、デイトレードなら1,000~5,000通貨の取引が、スイングトレードやポジショントレードのように中長期で取引するなら1,000通貨以下での取引が適しています。
スイングトレードやポジショントレードのように中長期で取引する場合は、取引回数も少なくなるので損切り目安の%をもう少し上げるといった考え方もあると思います。
まとめ
FXのpipsはまとめると下記のような特徴があります。
- pipsは通貨の共通単位(ただし1pipsはFX業者によって異なる場合がある)
- 1pipsは通貨ペアによって異なる
- 日本円との通貨ペア(米ドル/円やユーロ/円など):小数点第2位
- 日本円を含まない通貨ペア(ユーロ/米ドルやユーロ/ポンドなど):小数点第4位
- 1pipsは通貨ペアによって異なる
- 日本円との通貨ペア(米ドル/円やユーロ/円など):取引数量 × 1銭(0.01円)
- 日本円を含まない通貨ペア(ユーロ/米ドルやユーロ/ポンドなど):取引数量 × 0.0001 × 為替レート
- 損切りの目安にpipsは利用しないほうがいい
日本円との通貨ペアだけで取引するなら簡単に1pips=1銭(0.01円)算出することが可能で分かりやすいですが、日本円を含まない通貨ペアも取引の対象にすればチャンスも増え取引の幅も広がります。
pipsをうまく活用すれば投資効率の分析もし易くなるので、pipsを身に着け取引に活用してみてください。
\1通貨ら取引できるので少額から取引できます/