FXのロスカットってどういう風に計算するの?
ロスカットされない方法ってある?
ロスカットと損切りの違いって何?
FXのロスカットとは、保有しているポジション(ある通貨ペアを保有している状態)の評価損が一定のレベルに達した場合、更なる損失拡大を防ぐためにFX会社が自動で決済を行うことを言い、強制決済や強制ロスカットともいわれます。
そんなロスカットの計算方法や、ロスカットされない方法などを紹介します。
ロスカットとは?
FXのロスカットとは、例えば米ドル/円の買いのポジションを保有していて、円高で為替レートが下がっていくと、含み損が拡大していってしまいますが、含み損が一定のレベルに達した場合に自動で強制的にポジションを決済されることを言います。
ロスカットがないと、入金した資金の全額を失うだけでなく、追加で資金を入金しなければいけないような可能性もあります。
強制的に決済されてしまうので損失が確定されてしまいますが、ロスカットがあれば多少は資金が残る可能性があります。(ただし相場が極端に急変した場合にはロスカットが間に合わず預けている資金以上の損失となる場合もあります)
また、ロスカットはロスカットルールを整備・遵守することが義務付けられているので、国内のFX会社は必ずロスカットルールがあります。
ロスカットと損切りは違う?
ロスカットと似た言葉に損切りという言葉も聞いたことがあるかもしれません。
ロスカットと損切りは基本的には同じ意味で、相場が自分の予測とは反対の動きをした際に、損失が拡大しないように決済することにより損失を確定させることをロスカットまたは損切りと言います。
ただ、FXでは投資家自らが決済を行うことを損切り、FX会社が含み損が一定の基準に達した場合に強制的に決済させることをロスカットと言うことが多いです。
FX会社が自動で行うロスカットは、強制ロスカットや自動ロスカットと言ったりもします。
ロスカットの計算方法とは?
ロスカットは下記の計算式で算出されます。
ロスカット = 必要証拠金 × ロスカット基準(ロスカットレベル)
例えば、米ドル/円が130円の時に1,000通貨を取引する場合、必要証拠金は5.200円となります。(レバレッジ25倍を想定)
ロスカットとなる基準を100%とするとロスカットされる証拠金額は5,200円 × 100% = 5,200円となり、その時点での評価損益などを含めた口座の残高が5.200円を下回ると強制的にロスカットされることとなります。
- 130円 × 4% × 1,000通貨 = 5,200円(必要証拠金)
- 5,200円 × 100% = 5,200円(ロスカットされる証拠金額)
そのため為替レートが激しく変動していなければ基本的には、ロスカットされても最大で5.200円は口座に残るということになります。
ロスカットされるレートを計算するには?
ロスカットされるまでの値幅は下記の計算式で算出することができます。
ロスカットまでの値幅 = ( 有効証拠金 ー ロスカットされる証拠金額 )÷ 保有数量
有効証拠金はその時点での評価損益も加味した口座の残高のことで、例えば口座資金が1万円、米ドル/円が130円の時に1,000通貨の買い取引をしたとします。(ロスカット基準を100%とします)
ロスカットされる証拠金額は5,200円となるのでロスカットまでの値幅は下記のように算出されます。
(1万円 ー 5,200円) ÷ 1,000通貨 = 4.8円
ロスカットまでの値幅が4.8円なので130円 ー 4.8円 =125.2円になったらロスカットされるということになります。
保有数量によってロスカットまでの値幅が変わるので、2倍の2,000通貨取引するとロスカットまでの値幅は2.4円となり127.6円まで下落したらロスカットとなるので、よりロスカットされやすくなります。
ロスカットの注意点とは?
ロスカットは間に合わないことがある
ロスカットは、含み損が一定のレベルに達した場合にFX会社が自動で強制的にポジションを決済しますが、急激に相場の変動が起きた場合は、ロスカットが間に合わない場合もあります。
そのような時には預けていた証拠金以上の損失となり借金となってしまう可能性もあります。
ロスカットを信用しすぎず、適切なレバレッジで取引することを心がけましょう。
ロスカットされる基準はFX会社によって異なる
また、ロスカットとなる基準はFX会社によって異なっていて、100%のところもあれば50%といったところもあり、一長一短あります。
ロスカット基準が高い | ロスカット基準が低い | |
---|---|---|
メリット | ロスカット時に証拠金が多く残る | ロスカットされにくい |
デメリット | ロスカットされやすい | ロスカット時に残る証拠金は少ない |
強制ロスカットされないような取引をすることは重要ですが、ロスカット基準が低い方が、強制ロスカットされにくいので資金を多く活用することができると言えます。
ただ、資金管理に不安があれば、もし強制ロスカットとなっても証拠金が多く残るロスカット基準が高いFX会社を選ぶという選択肢もあるかと思います。
どちらにしても、FXでは損切りすることが重要なので、強制ロスカットされる前に損切りするという決断をすることが重要です。
ロスカットされない方法はある?
ロスカットは投資家の損失拡大を防ぐ仕組みですが、ロスカットされるということは意図せず大きな損失を確定されるということでもあります。
長期で投資したいなどの目的でロスカットを回避したといった時には以下のような方法があります。
- 証拠金を追加で入金する
- 保有しているポジションの一部を決済する
証拠金を追加で入金する
証拠金を口座に追加で入金すれば、口座の純資産額が増えるのでロスカットを回避することが可能です。
ただ、あくまでも一時的な手段であり、その後も想定とは異なる方向へ値が動けば損失を拡大させながら再度ロスカットされる危機となる可能性もあります。
明確な理由や戦略がないのであれば、早めに損切りを検討し、次のトレードに気持ちを切り替えましょう。
保有しているポジションの一部を決済する
保有しているポジションの一部を決済すると、ポジションを保有するために必要な証拠金がが減少するため、ロスカットを避けることが可能です。
ただ、この方法も一時的な手段であり、その後も想定とは異なる方向へ値が動けば損失を拡大させながら再度ロスカットされる危機となる可能性もあります。
含み損があるようなポジションを保有していると、次のチャンスの時に資金不足で取引できないといったことにもつながりかねないので、素早く損切りすることを検討してみてください。
まとめ
FXのロスカットはまとめると下記のような特徴があります。
- ロスカットは含み損が一定のレベルに達した場合に自動でポジションを決済する仕組み
- ロスカットは大きな損失から投資家を守ることが目的
- ロスカットは預けている証拠金以上の損失を防ぐ仕組みだが例外がある
- ロスカットされる基準はFX会社によって異なる
ロスカットされるような取引は意図していない限りレバレッジが高くリスクが高い取引になってる可能性があります。
自己資金に対する取引数量を見直し、レバレッジを抑えた取引を行うように気を付けましょう。
ロスカット基準が高いおすすめのFX会社は?
下記のFX会社はロスカット基準は100%と高いので、もし強制ロスカットとなった場合でもロスカット基準が低いFX会社より資金は多く残ります。
ロスカット基準が低いおすすめのFX会社は?
下記のFX会社はロスカット基準は50%と低いので、ロスカットされにくいFX会社です。