FXのレバレッジって何?
レバレッジの計算方法は?
レバレッジってどうやってかけるの?
FXの大きな特徴の1つであるレバレッジは、うまく利用すれば少額からでも大きな利益を得ることができます。
FXに投資するならうまく付き合う必要があるレバレッジとはいったいどういうもので、レバレッジのかけ方や、レバレッジをかけた場合とかけない場合どの程度リスクが高まるのか解説します。
レバレッジとは?
レバレッジとは、小さな力で大きなものを動かす「てこの原理」を意味する言葉で、FXにおいては、少ない資金で大きな取引ができる仕組みのことを言います。
外貨に投資する金融商品としては、銀行などで取り扱っている外貨預金もありますが、元手が10万円であれば10万円分の外貨しか取引することはできません。
しかし、FXでレバレッジをかけて取引すれば、元手10万円でレバレッジ10倍であれば100万円分の外貨の取引を行うことができます。
このようにFXではFX業者に預けている元手を担保とし、元手の何倍もの取引をすることができるのが特徴の一つです。
FXのレバレッジは最大何倍までかけられる?
日本ではFXのレバレッジは上限があり、最大25倍までとなっています。
これは、平成22年8月1日に施行された「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」によるもので法的に規制されています。
レバレッジをかければかけるほど、少額から投資ができるのでより資金効率は良くなりますが、リスクもその分高くなるため、投資家の資産を保護する目的で規制されています。
レバレッジを最大10倍までに規制を強化するといった議論もありましたが、FX業者や投資家からの反対が強くいったん見送りとなっています。
レバレッジの規制は日本の法律なので海外のFX業者には適用されないため、数百倍や数千倍といったレバレッジをかけて取引できる海外FX業者というのも存在します。
ただし、海外FX業者は一時期取引していた経験がありますが、トレードができないようなトラブルがあった時も言語の壁があったり、出金に制約があったりいろいろと苦労しました。
最悪口座凍結されてしまったといった話も耳にするなど、FX取引で得られた利益をそのまま確実に自分の口座に出金できないといった可能性があるなどリスクは高いので、FX初心者の方にはおすすめできません。
レバレッジをかければ少額からの取引が可能?
FXでは少額から取引ができるのが特徴の一つで、レバレッジをかけられることで少額からの投資ができるようになっています。
例え外貨預金ではレバレッジ1倍(レバレッジなし)での取引しかできないので、10万円分の外貨取引を行いたい場合は、10万円が必要となります。
それに対してFXでは、例えば25倍のレバレッジをかけて取引を行う際には、担保として最低限必要となる証拠金があれば取引が可能なので4千円あれば取引することができます。
10万円(取引金額) ÷ 25倍(レバレッジ)=4千円
レバレッジをかけない場合は10万円必要でも、レバレッジをかけることにより4千円から取引することができるため、少額からの投資が可能です。
レバレッジの計算方法とは?
レバレッジは、「取引数量」「為替レート」「証拠金(FX会社に預けている資金)」から下記の計算式によって算出されます。
レバレッジ(倍率) = (現在の為替レート × 取引数量) ÷ 証拠金
例えば10万円の証拠金で、米ドル円が100円の時に10,000ドルの取引を行った場合は、(100×10,000)÷100,000=10となるので、レバレッジは10倍となります。
為替レート自体は操作できませんが、取引数量と証拠金でレバレッジをコントロールすることができます。
ただ実際の取引では、為替レートは常に変動するためレバレッジも常に変動するので、ポジションを保有している間はレバレッジが高くなりすぎてないか適宜確認が必要となります。
レバレッジをかけるとどうなる?
レバレッジをかけて取引するということは、FX業者に預けてある証拠金の何倍もの取引を行うことができます。
レバレッジは国内では最大25倍までかけることができますが、レバレッジをかけると下記のような変化が生じます。
- 利益や損失が大きくなる
- 受け取れるスワップポイントが増える
- 強制ロスカットされやすくなる
元手が10万円で米ドル円が100円の時に買いの取引をした場合、レバレッジ1倍(レバレッジなし)、レバレッジ10倍、レバレッジ25倍をかけたときの違いは下記のようになります、
レバレッジをかけると利益や損失が大きくなる
レバレッジ | 1倍 | 10倍 | 25倍 |
取引金額 | 1,000ドル | 10,000ドル | 25,000ドル |
1ドル=101円になった場合 | +1,000円 | +10,000円 | +25,000円 |
1ドル=99円になった場合 | ー1,000円 | ー10,000円 | ー25,000円 |
元手は10万円と同じですが、レバレッジをかけたほうが大きな利益を得ることができるため、資金効率がいい取引ができたと言えます。
ただし、米ドル円が99円になった場合には、レバレッジをかければかけるほど損失も大きくなります。
そのため、レバレッジをかければかけるほどハイリスク・ハイリターンな取引となるため、レバレッジは高ければ高いほどいいというわけではありません。
FX取引に慣れていないうちはレバレッジをかけないでトレードし、レバレッジをかける場合でも3倍くらいまで低レバレッジに抑えておくのをおすすめします。
レバレッジをかけると受け取れるスワップポイントが増える
FXでは、「通貨ペア」と呼ばれるアメリカドルと日本円のように異なる2カ国の通貨の組み合わせを取引しますが、2カ国の金利差であるスワップポイントが発生します。
高い金利の通貨を買って、低い金利の通貨を売ることにより金利の差額を日々受け取ることができます。
例えば日本との金利差が広がっているアメリカと低金利の日本円の組み合わせである「アメリカドル/円」を10,000通貨買い、1日に受け取れるスワップポイントを約213円(※)とすると1年間に19,710円を受け取ることができます。
※2023年7月にアメリカドル円の買いのスワップポイントが最高水準であったくりっく365の値を参考
元手は変えずにレバレッジをかければ取引できる取引数量を増やすことができるので、レバレッジをかければかけるほど受け取れるスワップポイントが増えることになります。
レバレッジ | 1倍 | 10倍 | 25倍 |
1年間で受け取れるスワップポイント | 77,745円 | 777,450円 | 1,943,625円 |
ただ、スワップポイントは常に一定ではなく日々変更され、FX業者によっても異なるため、安定して高いスワップポイントが受け取れるFX業者で取引することが重要です。
強制ロスカットされやすくなる
FXには保有しているポジション(ある通貨ペアを保有している状態)の評価損が一定の基準に達した場合、さらなる損失を防ぐためにFX会社が自動で決済する強制ロスカットという仕組みがあります。
強制ロスカットされてしまうと、既に保有しているポジションは決済されてしまうため損失が確定してしまい、その後思惑通りの値動きとなってもすでに決済されているので利益を得ることができなくなります。
特に中長期で取引するような場合は、なるべく強制ロスカットされないように強制ロスカットされるてしまう為替レートを低くするためにレバレッジの倍率も低く抑えることが重要になってきます。
例えば100万円入金し、1ドル=100円の時に、レバレッジの倍率によって強制ロスカットされてしまう為替レートの値は下記のように変化します。(証拠金維持率の100%を下回った場合に強制ロスカットとなると想定)
レバレッジ | 1倍 | 2倍 | 3倍 | 5倍 | 10倍 | 25倍 |
取引数量 | 1万通貨 | 2万通貨 | 3万通貨 | 5万通貨 | 10万通貨 | 25万通貨 |
強制ロスカット となる為替レート | 4円 | 54円 | 70.7円 | 84円 | 94円 | 100円 |
強制ロスカットの算出方法
ロスカットまでの値幅 = (有効証拠金 ー(必要証拠金 × ロスカットレベル))÷保有数量
現在の為替レート ー 強制ロスカットまでの値幅 = 強制ロスカットとなる為替レート
有効証拠金:資産合計+評価損益ー出金依頼金額
必要証拠金:為替レート × 取引数量 ÷ レバレッジ(最大で25倍)
ロスカットレベル:証拠金維持率((有効証拠金 ÷ 必要証拠金) × 100 )がロスカットレベルを下回った場合に強制ロスカットされる
レバレッジの倍率が高くなると強制ロスカットされやすくなり、上記の場合レバレッジ25倍の時は取引した為替レートである100円を少しでも下回ったら強制ロスカットされてしまいます。
この場合は、FX業者への入金額100万円に対して25万通貨の取引は多すぎることを意味するので、入金額を増やすか取引数量を少なくしないとすぐに強制ロスカットされてしまいます。
FXではレバレッジをかけることによって元手よりも大きな金額の取引ができ、利益や受け取れるスワップポイントは増えますが、損失も大きくなり強制ロスカットされやすくなるのでレバレッジ取引に慣れるまではレバレッジを抑えて取引するべきです。
レバレッジのかけ方は?
FXでレバレッジのかけ方は2つあります。
- 自分で実効レバレッジを計算する
- 上限レバレッジを設定する
自分で実効レバレッジを計算する
実効レバレッジは、実際の取引におけるレバレッジのことで下記のように算出されます。
実効レバレッジ = (現在の為替レート × 取引数量)÷ 有効証拠金
有効証拠金は、資産合計+評価損益ー出金依頼金額で算出されます。
例えば、FX業者に10万円入金し米ドル円が100円のときに1万ドルを購入したとすると実効レバレッジは10倍となります。
(100円 × 10,000通貨) ÷ 100,000円 = 実効レバレッジ10倍
同じくFX業者に10万円の資産があるときに、米ドル円が100円のときに2万ドル購入すると、実効レバレッジは20倍となります。
(100円 × 20,000通貨)÷ 100,000円 = 実効レバレッジ20倍
実効レバレッジは取引数量で変更されるため、取引数量を調整することで実効レバレッジも調整することが可能です。
また、取引数量は変えずに、FX業者への入出金でも実効レバレッジは調整できます。
上限レバレッジを設定する
レバレッジは通常は最大25倍までかけることができますが、一部のFX業者では上限レバッジを設定することができるので、レバレッジをかけすぎていたといったリスクを抑制することができます。
レバレッジの上限設定は通常、FX業者の設定メニューから設定するだけと簡単に行うことができます。
ただ、多くのFX業者は上限レバレッジはなく25倍までとなっていますが、主要なFX業者では東証プライム上場のGMOインターネットグループのGMO外貨(外貨ex)で上限レバレッジを設定することができ「1・10・25倍」を選択することができます。
\レバレッジを自動で抑制/
FXのレバレッジ取引はいくらからできる?
FXでレバレッジをかけた取引を行えば4円から取引することができます。
これは米ドル円が100円の時に1通貨だけを取引する場合で計算式は下記となります。
4円(必要証拠金) = 100円(為替レート) × 1通貨(取引数量) ÷ 25(レバレッジ)
FXでは米ドル円のように2つの通貨の組み合わせである通貨ペアを取引することになりますが、通貨ペアを取引するにあたって最低限必要な資金が必要証拠金です。
FX業者に必要証拠金以上の資金を預けていれば取引することが可能となっています。
上記の例では取引数量は1通貨としていますが、取引できる最低数量はFX業者によって異なっていて、最低取引数量が小さいほど必要証拠金も小さくなるので少額から取引することが可能です。
主なFX業者の米ドル円の最低数量、必要証拠金(1米ドル100円のとき)は下記となっています。
FX業者 | 最低取引数量 (米ドル円) | 必要証拠金 (米ドル円) |
---|---|---|
1通貨 | 4円 | |
1通貨 | 4円 | |
100通貨 | 400円 | |
1,000通貨 | 4,000円 | |
1,000通貨 | 4,000円 | |
1,000通貨 | 4,000円 | |
1,000通貨 | 4,000円 | |
1,000通貨 | 4,000円 | |
1,000通貨 | 4,000円 | |
1,000通貨 | 4,000円 | |
1,000通貨 | 4,000円 | |
1,000通貨 | 4,000円 | |
10,000通貨 | 40,000円 | |
10,000通貨 | 40,000円 |
SBI FXトレードは1通貨から取引することができるので、例えば米ドル円なら必要証拠金も約5円からと少額からFXの取引を行うことができます。
\1通貨ら取引できるので少額から取引できます/
ただ、FX業者に預けている証拠金が必要証拠金だけしかない場合は、レバレッジ25倍の取引となってしまい、少しでも逆の値動きとなると強制ロスカットになってしまうので、必要証拠金以上の資金を入金し取引することが必要です。
まとめ
レバレッジはFXの大きな魅力の一つでもあるレバレッジは下記のような特徴があります。
- 国内ではレバレッジは最大25倍
- 少額の資金から取引することができる
- レバレッジを大きくすると為替差益だけでなく受け取れるスワップポイントも大きくなる
- レバレッジを大きくすると強制ロスカットされやすくなる
- 最低取引数量が小さいほど少ない資金で取引することができる
レバレッジは、かければかけるほど為替差益やスワップポイントが増えるなど大きな利益が期待できる反面、損失が大きくなったり強制ロスカットされやすくなるなどハイリスク・ハイリターンな取引となります。
レバレッジ取引に慣れてなければレバレッジは1~3倍程度に抑え、徐々に大きくしていくことをお勧めします。
\1通貨ら取引できるので少額から取引できます/